原因は力みと代償動作
多くのスポーツマン、アスリートのパフォーマンスケガや、クセになっている炎症、スランプなどはほとんどが力みと代償動作が関係していると考えられます。
そして、力みと代償動作を作り出しているのはフォームの問題とオーバーユースです。

フォームが悪いと、本来使わない筋肉が働いてしまったり、使うはずの筋肉が働かなかったり、無理な関節のねじれも起きてしまいます。それが代償動作です。
また、無理な筋出力は非常に力感があります。
力感とは厄介で、やっている感が強く、間違った体の使い方でも気づかないことがあります。
とりわけ地面を蹴って走る癖などが代表的な力感とも言えます。
球技の投球、サッカーの蹴る動作なども同じことが言えます。
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一流選手の動きは美しい
世界の一流選手が身につけている動作には力感がありません。
力みがなく、スムーズ、リラックスしている、リズミカルでダイナミック、一流の動きほど力感がなく美しいものです。
練習風景もサボっているようにさえ見えるほど、リラックスしています。
この一流選手の身体感覚を司るのは神経です。

一つの動きをとって見ても、どのくらいの角度で、どの程度の力で、どのタイミングで動けば良いのか、その正確性、精度が高いほど、運動に関係する神経が発達していると言えます。

これはゴールデンエイジと呼ばれる5歳〜12歳頃に遊びの中から、多様な動きを学び、神経系が発達しているほど長けているという説もあります。

また英才教育などで幼少期から専門的に練習をしている選手も、そうです。
ただし、そういった選手は例えば、走るのは速いけど、球技は全くできない、サッカーはできるけど、テニスや野球は全くできない、といった偏りが見られます。
何れにしても、運動を司るのは神経なのです。
そして、その理想的な動きにはある、秘密があります。
それが2軸の感覚です。
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2軸感覚とは
体幹を作り、中心軸で。ということは聞いたことがあると思います。
静止が要求される武道、クラシックバレー、フギュアスケートなどは中心軸の感覚が必要です。
しかし、動き続けるスポーツに関しては静止は時にデメリットになります。
プレーの中で中心軸感覚があると例えばコンタクトスポーツなら、ワンテンポ遅れます。

サッカーで一例をあげましょう。
日本のサッカーはセットプレーが得意です。
これは静止したボールを蹴るわけですが、日本人は勤勉、練習熱心な国民性ですから当然と言えます。アジア人の持つ細やかさ、器用さも精度を上げます。
ただ、見方を変えると、動きの中でボールをコントロールしたり、相手と競る局面はとても弱いのです。
これは色々な感覚の問題なのですが、一つには中心軸感覚で動いているからです。
中心軸感覚は静的安定を無意識に作ります。動き続けるスポーツでは、当たり前ですが静止せず、動き続けなければいけません。しかし、中心軸の感覚が強いと固めて抵抗したり、体勢が崩れた時に立て直せないという状況が生まれます。当然相手にボールを取られやすくなります。
厄介なのは、もっと競り勝てるようにともっと身体を固めるトレーニングを積んでしまいます。自分より体の小さい、力の弱い相手には通用しますが、そうでなければ全く歯が立ちません。

また中心軸は無意識に安定を求める為、相手に動きを読まれます。コンマ何秒の世界とはいえ、高いレベルの中では大きな差が生まれます。

2軸動作は安定して横滑りするように動く身体感覚で軸が左右に揺れ続けますので、プレーが止まらず、体勢も崩れません。また、2軸は体に無駄なねじれが起こらないので、怪我をしにくいことも大きなメリットです。
海外のトップレベルの動きはずっと動き続けています。予備動作もほとんどありません。ぜひ、映像などで確認していただくと良いと思います。

オススメはサッカーならメッシ、テニスだとフェデラーやジョコビッチです。

もう一つランニングでも見てみます。
中心軸感覚のランナーの特徴は、
・一直線上を走るように着地をする
・上半身があまり動かない(体幹を意識して力んでいる)
・着地足の膝が内側に入っている
・膝や足部の故障が多い

特に、胸を張って、体がブレないように走ることは多くのトレーナーや専門家が口を揃えています。
それを意識させすぎていることでフォームに力みが生まれているように感じます。
一般的に、体幹が強い、軸がブレないといった感覚、これを中心軸と言います。
それにたいして、2軸とはその名の通り、体の真ん中ではなく、股関節を通した垂直線上に2本の軸があるような感覚で、これを2軸感覚と言います。
感覚という言葉を使っているのは、解剖学的にそういった軸は存在せず、主観的な感覚だからです。
中心軸感覚が得意なことは、静的安定
一方、2軸感覚が得意なことは、動的安定そのように考えます。
武道の強い筋力をつけるトレーニング、体を酷使するハードな練習をする前に運動原理に基づいた方法で身体特性を高めることで怪我もなく、合理的にパフォーマンスを高めることは可能なのです。

                          
青木サンガーズ 返信数:0 更新日:2020/4/17 15:33 / 投稿日:2020/4/17 15:33